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エアコン工事に必要な資格とは?電気工事士や冷媒回収など専門資格を解説

2025年07月15日
エアコン工事資格

エアコン工事には、冷媒や電気を扱う特性上、法律で定められた資格や、現場での安全・信頼性を高める技能講習が求められます。

今回は「エアコン工事 資格」に関する基本情報から、家庭用・業務用での違い、現場で役立つおすすめ資格までをわかりやすく解説します。

これから資格取得を目指す方、事業者として工事を担いたい方、業者選定時の参考にしたい方にも有用な内容となっています。

※本記事は、第二種電気工事士を保有するスタッフ2名の監修のもと、時点の法制度に準拠して構成しています。

エアコン工事に資格は必要?法律で定められているケース

室外機を設置する作業員

✅家庭用エアコンでも電気工事士が必要な理由

100Vや200Vの電源接続は第二種電気工事士の資格保有者でなければ施工できません。コンセント交換や配線作業も対象になります。

✅業務用エアコンに求められる法的資格

「フロン排出抑制法」により、業務用エアコンで冷媒(フロン類)の回収・充填作業を行うには、第一種または第二種冷媒回収技術者の資格が必要です。

エアコン工事で必須とされる主要資格

「第二種電気工事士」以外は講習中心で取得しやすい資格が多いです。

資格取得の順番は、【第二種電気工事士 → 冷媒回収技術者 → +αの資格】という流れが一般的です。

国家資格(第二種電気工事士・冷凍空調技士)と労働法に基づく技能講習をバランスよく取得することで、現場での評価や単価アップにも繋がります。

ビルマルトップフロー施工中

✅第二種電気工事士

  • 国家資格(経済産業省管轄)
  • 家庭用・業務用問わず配線や電源接続に必要
  • 筆記と技能試験あり。年2回実施。

電源直結作業ができるようになるため、単価の高い工事に対応できます。企業によっては【資格手当:月1〜3万円】がつくことも。

  • 筆記試験+技能試験
  • テキスト学習+過去問演習が基本
  • 独学でも可能(市販テキスト、YouTube、アプリなど)
  • 技能試験対策として「工具セット+練習キット」が必要になる
  • 通信講座・通学講座(ユーキャン・JTEX・TAC等)を活用する人も多い
項目 内容
合格率 60〜70%(筆記:約60%、技能:約70%)
難易度 中(未経験でも独学で合格可能)
費用 約1万円(受験料9,600円 + 教材費)※講習受講時は+1.5〜3万円程度

✅冷媒回収技術者(第一種・第二種)

  • フロン類を含む冷媒の回収に必須
  • 登録講習+修了試験が必要
  • フロン類の漏えい防止や管理体制の信頼にもつながる

フロン排出抑制法の対象となる作業ができるため、業務用空調機の撤去・更新時などで選ばれやすいです。

  • 所定の講習(座学1日+実技講習)を受講するだけで取得可能(試験はなし)
  • 第一種と第二種の違いは、対象機器の規模(第一種は業務用大型冷凍機も対象)
  • 一般財団法人日本冷媒・環境保全機構(JRECO)等が実施
項目 内容
合格率 約90%以上(講習後の修了考査)
難易度 低〜中(テキスト中心で学習しやすい)
費用 約2.5万〜3万円(講習・登録費含む)

✅石綿(アスベスト)関連資格|建築物石綿含有建材調査者など

エアコン工事では、壁への穴あけ作業が付随することが多く、アスベスト含有建材への対応が必要になるケースが多々あります。とくに2006年以前の建物では石綿含有の可能性があるため、厚生労働省の指導に基づき、事前調査が義務化されており、現在はほぼ必須ともいえる資格といえます。

当社でも、「建築物石綿含有建材調査者」や「石綿作業主任者」などの有資格者が多数在籍しており、安全と法令順守のために積極的な取得を推奨しています。

対象資格

  • 建築物石綿含有建材調査者(事前調査を行う資格)
  • 石綿作業主任者(除去作業に関する管理)
  • 必要に応じて特定建築物石綿含有建材調査者も明記可能
     

直接的な年収UPというより、「法令対応済みの会社」として元請け・大手案件に参入しやすくなる。結果的に工事単価が高くなる案件を獲得できる=年収底上げ

  • 公益社団法人日本作業環境測定協会などが実施する講習を2日間受講(座学+演習)
  • 修了試験あり(筆記形式)
  • 石綿作業主任者特定化学物質作業主任者と併せて取得されることも多い
項目 内容
合格率 約80%(講習+修了考査)
難易度 低〜中(講義内容の理解がポイント)
費用 約3.5万〜4.5万円(講習・登録料含む)

現場で評価される+αの資格一覧

室外機を設置中の作業員

✅冷凍空調技士(1級・2級)

冷媒配管の接続、真空引き作業など専門的な技術の証明となります。業務用エアコンや大型設備では評価されやすい資格です。

業務用空調機器の施工や修理に携わるなら、冷凍空調技士の保有が大きなアドバンテージになります。大型施設・ビル案件での受注が可能になることで、単価が一段階上がります。とくに1級は現場責任者レベルでの評価を得られるため、月収ベースでも+5~10万円の差が出ることもあります。

  • 2級:約60〜100時間
  • 1級:100〜150時間(実務経験必須)
  • 筆記試験+実技試験
  • 高圧ガス保安協会が実施(年1回)
  • テキスト学習と技能講習(または実務経験)が必要
項目 内容
合格率 2級:約60%、1級:約30〜40%
難易度 2級=中、1級=高(実務経験者向け)
費用 約1万〜1.5万円(受験料)※講習ありで+数万円程度

✅高所作業車運転技能講習

高所での室外機設置や重量物の吊り上げ作業に必須。建設業現場やビル設備での作業にも活用されます。

高所作業車が必要な現場(天井埋込型エアコン、工場・体育館等)で作業できるようになるため、現場の対応幅が広がります。現場対応できる時間単価の幅が増す点で、結果的に年収に好影響を与える資格です。

  • 労働安全衛生法に基づく技能講習を受講
  • 座学+実技(計2日間程度)で終了時に修了証が交付される
  • 特別な勉強は不要、試験も簡単(修了要件あり)
項目 内容
合格率 約90%以上(講習修了)
難易度 低(座学+実技、1〜2日で取得)
費用 約1.5万〜2.5万円(実施機関により異なる)

✅職長・安全衛生責任者教育修了証

現場の安全管理や責任者ポジションに必要。元請け企業との契約条件になることもあります。

元請・現場管理ポジションに抜擢されやすくなり、職長手当(月2~3万円)+評価による昇給などに直結。大手ゼネコンやビル管理の仕事を請ける場合にも重視される講習です。

  • 厚生労働省指針に基づく講習を受講するのみ
  • 試験はなく、講習修了で資格取得
  • 現場の安全管理者に昇格する際に求められる
項目 内容
合格率 100%(講習受講で修了)
難易度 低(2日間の受講でOK)
費用 約1.5万〜2万円

✅ガス溶接技能講習

銅配管のろう付けなど、高度な接続が必要な場面で有利。特に業務用機器で活かされる技能です。

冷媒配管や空調機器の設置工事では、ガス溶接による接合作業が必要なケースもあり、この技能講習で対応可能になります。スポットでの高単価案件の獲得につながります。

  • 労働安全衛生法に基づく講習を受講
  • 各地域の安全衛生技術センターなどで実施
  • 座学(1日)+実技講習(1日)で修了試験あり(ほぼ合格できる内容)
項目 内容
合格率 約95%以上(修了型)
難易度 低(基礎講習+実技)
費用 約1.5万〜2.5万円

【エアコン工事と資格の関係】スキルと資格の組み合わせで年収はどう変わる?

エアコン工事の現場で収入を上げるには、資格の取得だけでなく「活かし方」も重要です。

資格を取得しただけでは劇的な年収アップは期待できないかもしれませんが、以下のような組み合わせによって、収入に大きな差が生まれるのは事実です。

✅ 資格 × 実務経験
✅ 対応できる工事内容の幅
✅ 法令対応力や安全管理(高所作業・石綿対応など)

とくに、法人案件や業務用空調のような高単価な工事を任されたい方にとっては、

✅ 複数資格を組み合わせる
✅ 職長教育や施工管理スキルも強化する

といった戦略が、年収600万円以上へのステップアップにつながります。

✅資格取得による年収の違い(目安)

資格名 取得前の年収(目安) 取得後の年収(目安) 備考
第二種電気工事士 250万〜350万円 400万〜600万円 低圧電気工事が可能になり、請負範囲が拡大
冷媒回収技術者(第一種・第二種) 400万〜500万円 500万〜700万円 業務用空調撤去など高単価案件に対応可能
石綿関連資格(調査者など) 450万〜550万円 550万〜700万円 義務化によりニーズが高く評価されやすい
冷凍空調技士(1級・2級) 500万〜600万円 650万〜800万円 専門性が高く、公共案件への対応が可能に
高所作業車運転技能講習 350万〜450万円 450万〜600万円 高所作業対応により案件数が増加
職長・安全衛生責任者教育 400万〜500万円 500万〜650万円 現場管理や元請け対応が可能に
ガス溶接技能講習 400万〜500万円 500万〜650万円 配管・補修業務の幅が広がる
単価アップや独立を目指すステップ 400万〜600万円 800万〜1,200万円 一人親方から法人化も視野に

未経験者・転職者におすすめの資格取得ルート

室内機を施工する作業員

✅独学でも取得可能な第二種電気工事士

教材や通信講座、YouTubeなどの動画教材も充実しており、働きながらでも比較的取得しやすい点が魅力です。

実際、当社ではエアコン工事を直接行わないスタッフも多くが資格を取得しています。とくにカスタマーサポート担当は、技術知識を持つことでお客様への対応がスムーズになり、より信頼される対応が可能になるため、積極的に取得を推奨しています。

✅第二種電気工事士を取得したら

現場での経験を積みながら、次のステップとして以下の資格取得を目指しましょう。

  • 冷媒回収技術者(第一種・第二種)
  • 並行して講習で取得可能な石綿(アスベスト)関連資格(例:建築物石綿含有建材調査者 など)など

✅次は将来的な単価アップや独立を目指し

業務用エアコンの施工・保守に直結する資格として、以下の資格は特におすすめです。
単価アップや将来的な独立・開業を見据える方に適しています。

  • 冷凍空調技士(1級・2級)

資格を持っている業者を選ぶメリット

  • 電気接続やフロン類の扱いにおける法令遵守が徹底されている
  • 事故・火災・ガス漏れなどのリスク低減
  • 保証・アフターサービスも安心して依頼できる

よくある質問

まとめ|エアコン工事と資格の関係を正しく理解しよう

エアコン工事における資格取得・保持は、単なる制度上の要件ではなく、安全・品質・信頼性を担保する重要な要素です。

これからエアコン工事の技術者を目指す方は、第二種電気工事士や冷媒回収技術者を基盤に、ステップアップを目指しましょう。依頼者としても、資格保有者かどうかの確認は安心の第一歩となります。

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部長:坂田晃理

監修責任者

タースエンジニアリング株式会社 部長:坂田晃理

保有資格:第二種電気工事士、二級管工事施工管理技術士

本記事は、弊社の第二種電気工事士有資格者である2名のスタッフおよび監修責任者の部長の坂田による実務経験に基づいて執筆・監修されています。記載の資格情報は現在の法令・制度に準拠し、信頼性と最新性に配慮しています。

部長:坂田晃理のインタビュー記事